
初鰹と戻り鰹の違いとは?かつおの旬と脂ののり、おすすめの食べ方
初鰹と戻り鰹、名前は聞いたことがあっても、味の違いまで説明できる方は少ないのではないでしょうか。同じかつおでも、水揚げされる季節によって身の色や脂ののり方は大きく変わります。ここでは、かつおの生態から旬の時期、味わいの違い、おすすめの食べ方までを順番に整理してご紹介します。
この記事でわかること
- 初鰹と戻り鰹が生まれる、かつおの回遊の仕組み
- 初鰹・戻り鰹の旬の時期と水揚げ地の目安
- 身の色や味わい、脂質量の違い
- たたき・刺身など、それぞれのおすすめの食べ方
かつおは回遊魚――初鰹と戻り鰹が生まれる理由
暖かい海を好み群れで移動する回遊魚
かつおは暖かい海を好み、常に群れをなして泳ぎ回る回遊魚です。冬から春にかけて北緯10〜30度付近の海域で産卵し、生まれた個体は成長しながら日本近海を目指して移動していきます。
黒潮に乗って北上する春が初鰹のはじまり
春から初夏にかけて、育ち盛りの若いかつおは南方からの黒潮(日本海流)に乗り、餌の豊富な親潮(千島海流)とぶつかる三陸沖を目指して北上します。この時期に千葉や東北の漁港で生鮮水揚げされる個体が「初鰹」と呼ばれます。
秋に南へ戻る個体が戻り鰹と呼ばれる理由
日本近海で餌をたっぷり食べて丸々と太ったかつおは、秋になると再び南の暖かい海へ戻っていきます。この南下の途中で漁獲されるものが「戻り鰹」です。つまり初鰹と戻り鰹は別の魚種ではなく、同じかつおが北上する時期と南下する時期とで呼び名が変わったものといえます。農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」でも、春に黒潮を北上してくるかつおを「初鰹(上り鰹)」、秋に北から南へ戻ってくるかつおを「戻り鰹(下り鰹)」と紹介しています。
出典:カツオのたたき
初鰹・戻り鰹の旬はいつ?時期と水揚げ地の目安
初鰹の旬は春から初夏、千葉・東北で水揚げ
初鰹は春から初夏にかけて、千葉や東北の漁港を中心に水揚げされます。江戸時代には初物を尊ぶ風潮から、初鰹は歌に詠まれるほど重宝されたと伝えられています。
戻り鰹の旬は秋、脂がのり切るタイミング
戻り鰹は秋にかけて水揚げされ、日本近海で十分に餌を食べて脂がのった状態で漁獲されるのが特徴です。
参考:カツオのたたき
初鰹・戻り鰹はあくまで季節限定の通称
注意したいのは、初鰹と戻り鰹はあくまでその季節に水揚げされる旬の個体を指す通称であり、すべてのかつおがこの二種類にきれいに分類されるわけではないという点です。
初鰹と戻り鰹の味わいと脂質量の違い
初鰹は透明感のある赤身でさっぱり
初鰹は育ち盛りのため、身は透明感のある赤身でさっぱりとした味わいが特徴です。お刺身よりも表面を炙った「たたき」で食べるのがおすすめで、ポン酢はもちろん、塩とごま油を合わせたタレともよく合います。
戻り鰹は餌を食べて栄養を蓄えているため、身の色は深みのある赤色で味も濃く、もっちりとした食感が特徴です。中には鮪にも劣らないほど脂ののった「とろ鰹」と呼ばれる個体もあります。刺身にして、わさびやおろし生姜、パンチの効いたおろしにんにくと合わせて食べるのがおすすめです。
文部科学省のデータで見る脂質量の差
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、可食部100gあたりの脂質は春獲りのかつおが0.5gであるのに対し、秋獲りのかつおは6.2gと10倍以上の差があります。エネルギーも春獲りが108kcalであるのに対し秋獲りは150kcalで、戻り鰹の脂ののりが数値としても裏付けられています。

出典:カツオの生節(かつおのなまりぶし)|にっぽん伝統食図鑑:農林水産省
初鰹・戻り鰹、それぞれのおすすめの食べ方
初鰹はたたきで香ばしさを楽しむ
初鰹はさっぱりとした味わいを活かし、表面を炭火で炙った「たたき」がおすすめです。炙った香ばしい香りが食欲をそそり、ポン酢や薬味との相性もよいです。
戻り鰹は刺身でにんにくと合わせる
戻り鰹は脂ののった濃厚な味わいを楽しむため、刺身での提供が向いています。わさびやおろし生姜に加えて、パンチの効いたおろしにんにくを添えると、脂の旨みが一層引き立ちます。
高知ではたたきを合わせ酢で味わう
農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」によると、高知県のかつおのたたきは節を厚めに切り、にんにくや薬味をたっぷり添えて合わせ酢でいただくのが伝統的なスタイルで、地域によって切り身の厚みや薬味、あぶりの深さが異なります。
出典:カツオのたたき
知っておきたいかつおの関連知識
全てのかつおが初鰹・戻り鰹に分けられるわけではない
繰り返しになりますが、初鰹・戻り鰹はあくまで旬の時期に水揚げされる個体を指す通称であり、季節の食事を楽しむための呼び名として捉えておくとよいでしょう。
生節やかつお節など加工品としても親しまれる
かつおは刺身やたたき以外にも、加熱して燻製にした「生節」や、燻製と乾燥を繰り返してつくるだしの素「かつお節」など、様々な形に加工されて日本各地で親しまれてきました。
参考:かつお節(かつおぶし)
かつお節の種類や歴史、だしの取り方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

出典:かつお節(かつおぶし)|にっぽん伝統食図鑑:農林水産省
食べきれないときはひと手間で楽しむ
生のかつおは時間が経つと変色や匂いが気になることもありますが、火を通すなどひと手間加えれば、また違ったおいしさで最後まで楽しめます。生のかつおが苦手な方にもおすすめの食べ方です。
よくある質問
Q1. 初鰹と戻り鰹は別の魚?
別の魚ではなく、同じかつおです。春に黒潮に乗って北上してくるものを「初鰹(上り鰹)」、秋に南へ戻る途中で漁獲されるものを「戻り鰹(下り鰹)」と、時期によって呼び分けています。
Q2. 初鰹と戻り鰹、出回る季節は?
初鰹は春から初夏、戻り鰹は秋にかけて水揚げされます。初鰹は千葉や東北の漁港を中心に水揚げされ、戻り鰹は日本近海で餌を食べて脂がのった状態で漁獲されるのが特徴です。
Q3. 脂が多いのは初鰹と戻り鰹のどっち?
戻り鰹のほうが脂がのっています。文部科学省の食品成分表では、可食部100gあたりの脂質は春獲りが0.5g、秋獲りが6.2gと、10倍以上の差があります。
Q4. 初鰹はたたきと刺身、どちらが向いている?
初鰹は、表面を炙った「たたき」がおすすめです。透明感のある赤身でさっぱりした味わいなので、炙った香ばしさがよく合います。ポン酢や薬味のほか、塩とごま油を合わせたタレとも好相性です。
Q5. 「とろ鰹」とはどんなかつお?
戻り鰹の中でも、鮪にも劣らないほど脂ののった個体のことです。戻り鰹は餌を食べて栄養を蓄えているため、身は深みのある赤色で味も濃く、もっちりとした食感が特徴です。
まとめ
初鰹と戻り鰹は別の魚ではなく、同じかつおの呼び名の違いです。春から初夏に北上してくる初鰹はさっぱりした赤身でたたきに、秋に南へ戻る戻り鰹は脂がのった濃い味わいで刺身に向いています。
季節ごとの味の違いを楽しむための呼び名として覚えておくと、かつおがより身近になります。かつおはかつお節としても親しまれてきた魚。横田屋本店の「本かつお・薄削」で、だしや仕上げにかつおの香りを添えてみてはいかがでしょうか。
横田屋本店の本かつお・薄削

あっさりとした上品なだしが取れます。花かつおとして、雑煮、うどん、お好み焼きなどにかけるとお料理がより一層おいしくなります。
■ここが魅力
①あっさりとした上品なだし
②花かつおとして使える薄削の軽さ
③雑煮・うどん・お好み焼きに合う用途
④仕上げにかけやすい使い勝手
だし取りとトッピングの両方で使えるため、料理の風味付けを手軽に整えられます。
■おいしい召し上がり方
・だし取り用として
・雑煮、うどん、お好み焼きなどにかけて
■仕様
・内容量:60g
・原材料:かつおのふし(国内製造)
・保存方法:常温(直射日光・高温多湿を避けて保存)
・配送:常温便
横田屋本店の本かつお・中荒粉

こまかい削りで、一般に「おかか」と呼ばれるものです。
■ここが魅力
①料理に手軽にかつおの風味を追加
②細かい削りによる混ぜやすさ
③かつおのふし由来の風味
④100gで常備しやすい分量
■おいしい召し上がり方
・お好みの料理にふりかけて
・混ぜ込み用の素材として
■仕様
・内容量:100g
・原材料:かつおのふし(国内製造)
・保存方法:常温(直射日光・高温多湿を避けて保存)
・配送:常温便




