ホヤとは?「海のパイナップル」と呼ばれる三陸の味覚の正体と食べ方

ホヤとは?「海のパイナップル」と呼ばれる三陸の味覚の正体と食べ方

ホヤは、凹凸のある姿から「海のパイナップル」とも呼ばれる海の生き物です。三陸をはじめとする産地では、夏を告げる味覚として親しまれてきた食材でもあります。ここでは、ホヤの生物学的な正体、三陸が主産地となった理由、そして独特の風味の裏付けとなる栄養成分を、公的機関の資料をもとに整理します。

おさしみほや
横田屋本店の「おさしみほや」

この記事でわかること

  • ホヤの分類と「海のパイナップル」と呼ばれる理由
  • 三陸がホヤの主産地になった理由と養殖の歴史
  • 五味をあわせ持つ独特の風味と主な栄養成分
  • 新鮮なホヤの見分け方と代表的な食べ方

目次

ホヤとは何か-分類と呼び名の基礎知識

脊索動物門ホヤ綱に属する海洋生物

ホヤは軟体動物や甲殻類ではなく、脊索動物門に属する海洋生物です。国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究発表でも、ホヤの仲間は分類上「ホヤ綱」としてまとめられています。幼生期には脊椎動物に通じる脊索を持つ点が特徴で、無脊椎動物の中でも人に近い系統とされています。

「海のパイナップル」と呼ばれる外見の特徴

宮城県などで食用として流通する真ほやの学名はHalocynthia roretziで、文部科学省の食品成分データベースにも登録されています。殻の表面に凹凸があり、その姿から「海のパイナップル」の別名で呼ばれています。

真ほやと赤ほやという2つの食用種

農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」によると、宮城県で水揚げされるのは黄色っぽく凹凸のある「真ほや」、北海道で水揚げされるのは「赤ほや」と呼ばれ、産地によって流通する種類が異なります。

宮城県で水揚げされたホヤを蒸しあげた郷土料理「蒸しほや」
宮城県で水揚げされたホヤを蒸しあげた郷土料理「蒸しほや」

出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」(2023年)「蒸しほや(むしほや)」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/musihoya.html

なぜ三陸がホヤの主産地なのか

複雑なリアス海岸とプランクトンが育む好環境

農林水産省の資料は、複雑に入り組んだ地形と豊富なプランクトンを有する三陸の海がホヤの育成に適していると説明しています。入り組んだ湾は波が穏やかで、餌となるプランクトンが豊富なため、殻付きのまま長期間安定して育てられます。

明治時代に始まった養殖の歴史

ホヤの養殖は、120年ほど前の明治時代に現在の宮城県気仙沼市唐桑町で始まったとされます。牡蠣の殻にホヤの幼生を付着させ、ロープに垂らして間引きしながら2年半から3年ほど海中で育てる方法が今日まで受け継がれています。横田屋本店も、この気仙沼市に店を構えています。

宮城県が全国生産量の約8割を占める背景

牡鹿半島の北側を中心に養殖が盛んに行われており、宮城県は全国生産量の約8割を占めるホヤの代表的な産地となっています。冬至の頃から早春にかけて産卵期を迎え、3月頃から徐々に水揚げが始まり、初夏から夏にかけて旬を迎えます。

ホヤ独特の風味と栄養価の正体

甘味・酸味・塩味・うま味・苦味の五味を持つ食材

農林水産省「うちの郷土料理」の解説では、ホヤは甘味、酸味、塩味、うま味、苦味という五味すべてを併せ持つ食材として紹介されています。この複雑な味わいが、好みが分かれる独特の個性につながっています。

旬とグリコーゲン量の変化が生む濃厚な味わい

宮城県など三陸のホヤの旬は初夏から夏で、冬に比べて夏のホヤはグリコーゲンの含有量がおよそ8倍になるとされます。グリコーゲンは体内でエネルギー源となる多糖類で、うま味や甘味のもとになる成分でもあります。

タウリン・亜鉛・ビタミンB12など豊富な栄養成分

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、ほや(生)は可食部100gあたりエネルギー27kcal、たんぱく質5.0g、亜鉛5.3mg、鉄5.7mgで、ビタミンB12は3.8μgです。農林水産省「うちの郷土料理」では、タウリンやビタミンEなども豊富な食材として紹介されています。

ホヤの選び方と美味しい食べ方

新鮮なホヤの見分け方と鮮度が命である理由

ホヤは鮮度が重要な食材であり、時間が経つと独特のにおいやえぐみが出やすくなります。殻に張りがあり、身がふっくらとして潮の香りが強いものほど新鮮とされ、産地に近いほど本来の味わいを楽しみやすいです。

新鮮なホヤの選び方やさばき方は、こちらの記事で紹介しています。

刺身・酢の物・蒸しほやなど代表的な食べ方

殻から取り出したホヤは内臓を取り除いて水洗いし、刺身や酢の物として食べるのが定番です。きゅうりやみょうがと合わせた酢の物のほか、炙りや天ぷら、蒸しほやなど加熱する食べ方も広く親しまれています。

ホヤを加熱して楽しむレシピは「ほやが苦手な方にこそ試してほしい!加熱で甘みが増す「ほやのアヒージョ」|横田屋本店のおさしみほやで作る絶品レシピ」で紹介しています。

きゅうりやみょうがと和えたホヤの郷土料理「ホヤの酢の物」
きゅうりやみょうがと和えたホヤの郷土料理「ホヤの酢の物」

出典:農林水産省「うちの郷土料理」(データベース)「ホヤの酢の物 宮城県」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hoyano_sunomono_miyagi.html

冷凍品や加工品を使った旬以外の楽しみ方

蒸しほやのように加工することで独特のにおいが抑えられ、苦手意識のある人でも食べやすくなります。真空処理や冷凍品も流通しており、産地から離れた地域や旬以外の季節でもホヤを楽しめるようになっています。

ホヤを使ったアレンジレシピ「蒸しほやの酢味噌和え」
ホヤを使ったアレンジレシピ「蒸しほやの酢味噌和え」

出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」(2023年)「蒸しほや(むしほや)」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/musihoya.html

ホヤの郷土料理と産地の取り組み

石巻地域に伝わる「ほや雑煮」

宮城県石巻地域の家庭で受け継がれてきた「ほや雑煮」は、塩漬けにしたホヤを焼いて干し、だしを取って具材にも使う料理で、2023年3月に文化庁の「100年フード」に認定されています。

産地での認知度向上とブランド化の取り組み

宮城県内の事業者や団体が連携する「宮城県ほや協議会」は品質の高いホヤを認定するブランディングを進め、一般社団法人「ほやほや学会」も情報発信を通じてホヤの認知度向上に取り組んでいます。

よくある質問

Q1. ホヤは貝の仲間?

いいえ、ホヤは貝などの軟体動物や甲殻類ではなく、脊索動物門に属する海洋生物です。幼生期には脊椎動物に通じる脊索を持ち、無脊椎動物の中でも人に近い系統とされています。

Q2. ホヤはどんな味がする?

甘味・酸味・塩味・うま味・苦味の五味をすべてあわせ持つ、複雑な味わいです。農林水産省「うちの郷土料理」でもそう紹介されており、この複雑さが好みの分かれる個性につながっています。

Q3. ホヤにはどんな栄養が含まれている?

亜鉛や鉄、ビタミンB12などが含まれています。日本食品標準成分表では、ほや(生)可食部100gあたり亜鉛5.3mg、鉄5.7mg、ビタミンB12は3.8μgです。タウリンやビタミンEも豊富な食材として紹介されています。

Q4. ホヤはどうやって食べるのが一般的?

殻から取り出して内臓を取り除き、水洗いしてから刺身や酢の物にするのが定番です。きゅうりやみょうがと合わせた酢の物のほか、炙りや天ぷら、蒸しほやなど加熱する食べ方もあります。

Q5. ホヤのにおいが苦手でも食べやすい方法は?

蒸しほやのように加工したものから試してみるのも一つの方法です。加工することで独特のにおいが抑えられ、苦手意識のある人でも食べやすくなります。

まとめ

ホヤは「海のパイナップル」とも呼ばれる、脊索動物門の海洋生物です。複雑なリアス海岸と豊富なプランクトンに恵まれた三陸は育成に適しており、宮城県が全国生産量の約8割を占めています。

五味をあわせ持つ独特の味わいは、刺身や酢の物、蒸しほやなどで楽しめます。鮮度が大切な食材なので、冷凍品や加工品も上手に取り入れてみてください。横田屋本店の「おさしみほや」は、解凍するだけで味わえます。

横田屋本店のおさしみほや

おさしみほや

今年旬を迎えたホヤを、ていねいに皮をむいて冷凍しました。味付けはしておりませんので、生のホヤの風味が楽しめます。

■ここが魅力

①旬の真ほやを丁寧に皮むきして冷凍加工

②味付けなしで素材本来の風味と甘みを堪能

③調理不要で解凍するだけの手軽さ

④料理アレンジにも使える万能食材

新鮮なほやの旨みをそのまま味わえます。

■おいしい召し上がり方

・自然解凍して刺身感覚でそのまま味わう

・ポン酢やレモンをかけてさっぱりと

・オリーブオイルやハーブでマリネ風に

・パイナップルや花椒と合わせて創作料理にも

■仕様

・内容量:200g

・原材料:ほや(養殖・国産)、食塩

・保存方法:冷凍-18℃以下で保存(解凍後は冷蔵保存し、お早めにお召し上がりください)

・配送:冷凍クール便

横田屋本店のほや塩辛

ほや塩辛

三陸の初夏の味覚「ほや」をほのかに地酒がかおる塩辛に仕上げました。自慢の一品をお召上がり下さい。

■ここが魅力

①三陸産の新鮮なほやを使用

②地酒の香りをほのかにまとわせた上品な味わい

③やわらかな食感と深みのある旨みが特徴

④お酒の肴や贈答品としても人気

三陸の初夏の味覚をそのまま楽しめます。

■おいしい召し上がり方

・冷酒や焼酎の肴としてそのまま味わう

・温かいご飯にのせて磯の香りを堪能

・お茶漬けや冷や奴のトッピングに

・少しずつ盛り合わせて前菜にも

■仕様

・内容量:140g

・原材料:ほや(三陸産)、食塩、清酒、醤油、味醂、砂糖/調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(V.C)、(一部に小麦・大豆を含む)

・保存方法:冷凍-18℃以下で保存(解凍後は冷蔵保存し、お早めにお召し上がりください)

・配送:冷凍クール便

参考文献

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