生うにが旬を迎える時期はいつ?産卵前が美味しい理由と選び方

三陸の生うにが旬を迎える時期はいつ?産卵前が美味しい理由と選び方

生うにを一番おいしく味わえるのはいつなのか、店頭や通販サイトで「旬」の表示を見て迷ったことがある方は多いのではないでしょうか。三陸産の生うにを例に、身入りが良くなる時期と、産卵前のうにが美味しいとされる理由、そして新鮮なうにの選び方を整理してご紹介します。

生うにの旬はいつ?三陸産キタムラサキウニの水揚げ時期

三陸の生うにの旬は6月中旬〜8月初旬

三陸沖で水揚げされる生うにの旬は、6月中旬から8月初旬までです。三陸沿岸ではうに漁が古くから盛んで、潜水服を身にまとった漁師がひとりで海に潜り、手作業で漁を行っています。養殖のうにというものは存在せず、市場に出回るのはすべて天然ものなんです。

4月後半からの「初物」は身入りが少ない

実際の水揚げは4月後半から少しずつ始まります。ただしこの時期のうには身入りが少なく、一部の「初物」として市場に出回る程度にとどまります。まだ生殖巣が十分に育っていないため、量も味も本格的な旬には及びません。

6月以降に身入りと味がのる理由

身入りが良くなり、味がのってくるのは6月からとされています。生殖巣がしっかりと大きくなるこの時期こそが、生うにの本当の食べ頃といえます。水揚げの時期が旬の最盛期に近いものを選ぶことが、美味しいうにに出会う一つの目安になります。

なぜ産卵前のうにが美味しいのか

うにの「身」は生殖巣(卵巣・精巣)

私たちが食べているうにの「身」は、卵や精子をつくる生殖巣にあたる部分です。うにの体は5角形が基本になっていて、生殖巣も1つのうにに5つ入っています。見た目だけでは、卵巣を食べているのか精巣を食べているのかを区別するのは難しいそうです。

生殖巣は6〜8月にかけて発達し秋に産卵する

岩手県水産技術センターによると、キタムラサキウニは6〜8月にかけて生殖巣が大きくなり、産卵は秋に行われます。生殖巣が熟しきる前、初夏からお盆前くらいまでが漁獲の盛期にあたるそうです。三陸産生うにの旬が6月中旬〜8月初旬とされているのは、この生殖巣の発達時期とほぼ重なっています。

産卵後は身が少なくなり味も落ちる

産卵を終えると、生殖巣の中身は放出されて縮み、身入りは急激に少なくなります。旬の時期に漁獲が集中するのは、産卵前の、生殖巣が最も充実したタイミングで水揚げするためなんです。

キタムラサキウニとバフンウニの違い

三陸産の主流「キタムラサキウニ」の特徴

三陸沖で水揚げされる生うにのほとんどは「キタムラサキウニ」という種類です。地元では「ガゼ」、あるいは短縮して「ムラサキウニ」とも呼ばれています。身は黄色く、上品な味わいが特徴で、日本人に最も親しまれているうにとされています。

北海道産「バフンウニ」との味・色の違い

北海道で多く水揚げされる「エゾバフンウニ」は、身の色がオレンジ色で、味が濃く、身のひとつひとつが小ぶりであることが特徴です。同じうにでも、産地や種類によって色や味わいが変わってくるんです。

旬のばふんうにの生殖巣を塩漬けにした「越前塩うに」。うにが旬を迎える時期にだけ漁獲・加工される

出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑 越前塩うに(えちぜんしおうに)」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/etizensiouni.html

エサとなる昆布と三陸の環境

ムラサキウニのエサとなるのは、主に海底に生えている海藻です。三陸沿岸は上質な昆布の生息地であり、うにの育成にぴったりの環境をつくり出しています。なお、うにの味わいはエサとなる海藻の種類によっても変わるといわれています。北海道のバフンウニは主に昆布を食べているのに対し、三陸のムラサキウニはさまざまな海藻を食べているため、風味にも微妙な違いがあるようです。

美味しい生うにの選び方と見分け方

ミョウバン不使用かどうかを確認する

「ミョウバン」は食品の型崩れを防ぐ目的で使われる食品添加物の一種です。ミョウバンなどの添加物を使用していない生うには水揚げから数日経つと溶けてしまうため、寿司店などではミョウバンが使われる場合があります。

苦みや臭みがあるものは要注意

ミョウバンを使用したうにには、苦みを伴う味を感じることがあります。苦みや臭みを感じる場合は、たいていこの添加物が使われているそうです。選ぶ際は、ミョウバン不使用と明記された商品かどうかを確認するとよいでしょう。

新鮮なうにの食感と香りの特徴

穫れたての生うには臭みも苦みもなく、口の中で溶けていくような食感と、上品に抜けていく香りが特徴です。この食感と香りこそが、新鮮な生うにを見分ける手がかりになります。

生殖巣をピンセットで丁寧に取り出してつくられる塩うに。旬のうにを使うほど身入りと風味が良い

出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑 越前塩うに(えちぜんしおうに)」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/etizensiouni.html

生うにの殻剥き作業と鮮度が落ちやすい理由

黒い不純物を塩水中で丁寧に除去

うにの殻を開けて身を取り出す際には、黒い色をした不純物が必ず身に付いてきます。この不純物は、塩水の中でひとつひとつ専用のピンセットを使って丁寧に取り除く必要があります。

熟練の技が必要な理由

この作業は機械では代替できず、身を傷つけないための熟練の技が求められます。魚介類の中でも特に手間のかかる作業のひとつとされていて、殻剥きの丁寧さが仕上がりの美しさや口当たりにも直結します。

水揚げ後数日で溶けてしまう繊細さ

ミョウバンなどの添加物を使用していない生うには水揚げから数日で溶けてしまうほど繊細な食材です。だからこそ、旬の時期に、身入りの良い個体を選び、鮮度が高いうちに味わうことが何より大切になります。

横田屋本店でのお取り扱い商品

記事でご紹介した生うには、横田屋本店でもお取り扱いがあります。三陸のムラサキウニを塩のみで仕上げた「塩うに70g(ビン入)」(2,970円・税込)や、岩手県産キタムラサキウニをあわびの殻で蒸し焼きにした「焼うに」(3,348円・税込)など、旬のうにを横田屋本店の味でもお楽しみいただけます。

・ 塩うに70g(ビン入):https://shop.yokotayahonten.com/view/item/000000000183

・ 焼うに:https://shop.yokotayahonten.com/view/item/000000000308

参考文献

・ 農林水産省「にっぽん伝統食図鑑 越前塩うに(えちぜんしおうに)」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/etizensiouni.html

・ 岩手県水産技術センター「ミニ知識/ウニ」 https://www2.suigi.pref.iwate.jp/others/tips_urchin

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